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マレーシアフィールドワーク2020報告

SGH・WWL

サステイナビリティ演習「環境とライフスタイル」を履修する高校2年生14名が、1月19日より3泊5日の行程でマレーシアフィールドワークに参加しました。
初日はシンガポールに到着後、バスにてマレーシア国境に向かいました。ジョホールバルに到着後、ホテルで夕食をとり、翌日おこなうプレゼンテーションの練習に力を尽くしました。
2日目の午前は、交流先のSETA高校(Sultanah Engku Tun Aminah High School)へ。キャンパス内の小ホールで、校長先生はじめとする多くの先生方、生徒の前で、堂々とプレゼンテーションを行いました。今年度の研究テーマは、1.パーム油、2.ハラールフード、3.海洋プラスチックゴミ、4.家庭排水による水質汚染。参加した現地校の生徒たちも事前に同じテーマで研究を行い、その発表をしてくれました。相互に新しい知識や考え方に触れることができ、学びが大いに深まりました。資料の交換もできたので、今後の研究にも生かされそうです。プレゼン後の校内ツアーでも話が弾み、時間があっという間に経ちました。今回の発表をご覧になったマレーシア工科大学の4名の先生方からは、「テーマの深め方が高校生の域を超えている」と研究への高い評価を頂き、SETA高校の先生方からも生徒たちの英語力の高さを評価していただきました。

SETA高校で記念写真

互いの学びを共有しました

堂々とプレゼン

校内ツアー

午後はジョホールバル最大のイオンモールで、店長ならびに売り場のスタッフ6名とセッションを持つことができました。各研究テーマについて現地の方の意識やスーパーマーケットにおける取り組みの取材をしました。地元の人、スーパーマーケットで勤務する人ゆえの率直な意見、ライフスタイルの有り様。マレーシアで暮らす人々の、まさに「生きた情報」にたくさん触れることができました。セッションの前後では、グループごとに買い物客や売り場スタッフに声をかけ、インタビューや自作のリーフレットの配布に励みました。その積極性には目を見張るものがありました。

売り場スタッフにインタビュー

イオン現地スタッフへのセッション

3日目はパーム農園を訪問。あいにくの雨の中でしたが、プランテーション内ではパームの伐採を見学し、工場長からパーム油の精油行程やその使い道についての詳しい説明を受けました。また、この場にはパームオイル認証機関(MPOCC)の方が駆けつけてくれ、パーム油チームとのディスカッションが実現しました。パーム油の認証制度であるRSPOと距離を置こうとしているマレーシア独自の認証機関の方と直に会えるという、大変貴重な時間でした。これまでどんなに情報を探してもたどり着かなかった様々な疑問点、不明点がどんどんクリアになっていく過程は感動的とも言えるものでした。パーム油チーム以外の生徒は、各チームの研究テーマについて地域の方々と交流。大きな歓声が沸くほど打ち解け、楽しい時間が過ごせました。

その後、ハラールレストランで昼食。ハラールを研究するチームのために「厨房」まで見せていただきました。日本でハラールでのおもてなしをするために研究していますが、難しさを感じるとともにたくさんのヒントや知恵をうかがい知ることができました。夕方に向けてアジア最南端の地にあるマングローブの国立公園を訪問しました。悪天候のため、当初予定していたマングローブの植林とごみ拾いは出来ませんでしたが、海洋プラスチックが押し寄せてマングローブの根元に絡まる大量のゴミを目撃。プラごみの「行く末」を目の当たりにしました。そんな過酷な環境でも生きる海の動植物たちのたくましさにも感嘆し、自分たちの学びの意義を再確認する時間でもありました。

ハラールレストランで

ユーラシア大陸最南端の地

4日目は、イスカンダル開発地域を訪問。豊かな自然や広大な農園のその隣に迫る近未来都市。ジョホールバルのまた違った一面にも触れることができました。
その後シンガポールへ入り、シンガポールの中心街を2階建てバスで巡りました。途中サルタン・モスクやアラブストリートで異文化をたっぷり味わい、シンガポール組と合流後は、マーライオン像やガーデンズ・バイザベイを見学しました。

ジョホールバール アブバカールモスクにて

シンガポールサルタンモスクにて

マーライオン広場でシンガポール組と

シンガポールの夜

短い期間でありましたが、学ぶことの奥深さを感じたフィールドワークでした。「求めよ さらば与えられん」の言葉通り、知りたい気持ちを追求することでたくさんの出会いがあり、その出会いが新しい知の扉を開いてくれる、感動的な旅だったと思います。集大成と言える2月18日の第5回SGH研究発表会に向け、現在最後のまとめに励んでいます。素晴らしい発表を期待しています。