教育の特色

探究学習

他者と協働で課題を解決できる人

中高大連携で行うアクティブラーニング

自分で課題を見つけ、調べて、動いて、考えて、
自分の結論を出す。
これが富士見丘のアクティブラーニングです。

ロングホームルーム(LHR)

アクティブラーニングの基礎作り

中1〜高2

アクティブラーニングが効果を発揮するためには、クラスが協働的な学習グループ(問題に遭遇した時、解決に向けて力を合わせて行動を取る集団)を形成していなければなりません。本校では毎週水曜日の LHRを活用し、協働的な学習グループ作りを集中して行います。4~5人のグループをつくり、投げかけられる問いや課題に対して、意見を活発に出す、人の意見には批判をしない、役立ちそうなものは何でも活用する、疑問に思ったことは何でも質問する、といった探究姿勢を身につけていきます。

自主研究5×2

好きなものをとことん探究

中1〜高2

平日5日間の通常授業からの「学び」と週末(土・日)の自らの「研究」の相乗効果を期待して、「5×2」と名付けています。中1から高2で実施している「自主研究5×2」では、研究テーマはどんなジャンルでも構いません。それぞれの興味・関心を掘り下げることを通じて「探究」の面白さに気づき、自身のオリジナリティを発見します。先生のアドバイスをもとにテーマを決定した後は1年間を通して研究。主に週末を使って研究を進め、毎回の研究記録と実施記録を担任に提出。アドバイスを受けながらレポートをまとめあげます。

自主研究5×2テーマ例

納豆について

納豆にキムチや大根おろしを入れると粘り方が変わることに気付き、納豆について研究しました。粘り方の違いは、混ぜるもの、温度を変え粘りの長さを測りました。また珍しい納豆を15 種類購入し、大きさ、固さ、粘り、におい、味、色について評価をし、パソコンでまとめたり、自家製納豆を作ることにも挑戦。資料を使って調べるだけでなく、自分で考え、実際に行うことで、面白い発見や次の研究に繋がることを学びました。(中学1年生)


日本とシンガポールの違いについて

2 年間シンガポールに住んでいたので、日本と比較し、それぞれの国の問題点と解決策を比較研究しました。シンガポールの面積は東京23 区に近く、国土の狭さからほとんどの食品を輸入に頼っているため物価が日本よりも高いことが特徴です。日本とシンガポールはどちらも島国なので、気候変動による海面上昇は共通の課題です。自分の国だけでなく他国と協力しながら一人ひとりが自分事として問題を解決する必要があると感じました。(中学1年生)

鹿児島フィールドワーク

課題を交換して議論する

高1

2泊3日で鹿児島県を訪れ、Super Science Highschoolである池田高校と互いの探究学習の成果を発表し、意見交換を行います。

池田高校との交流では、SDGsに関連する社会課題について、互いの取り組みを発表しあい、議論を重ねることができました。私たちは人権など社会科学系のテーマでしたが、池田高校はデータを基に実験で証明したり、3Dプリンターで再現するなど科学系のテーマにより実践的に取り組んでいました。今後、自分たちの探究学習の新たな方法として採り入れたいと思いました。(高校1年生)

グローバルワークショップ

SDGs(持続可能な開発目標)を考える

高1

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の大川恵子教授の研究生・留学生とともにグローバルな課題SDGsについて考え、これを解決するためのグループワークやプレゼンテーションを行います。社会全体にわたる問題に向き合う姿勢とスキルを培うことができます。

《ワークショップテーマ例》

●「Bird House」
環境改善をメッセージにした鳥の巣箱を作成
●「My Dream Collage」
SDGsテーマに関する理想の10年後をコラージュで表現
●「We are Ocean」
海洋のサステイナブルに尽力する国際組織を提案
4つのテーマ(海洋ゴミ・プラスチックゴミ・フードロス・環境保護)を取り上げ、同年代の若い世代に伝わるメッセージをプレゼンテーション

グローバルスタディ演習

探究学習の集大成

高2

高校2 年生では探究学習の集大成として「グローバルスタディ演習」に取り組みます。「海洋リゾート開発と海洋汚染」「環境とライフスタイル」「災害と地域社会」というテーマで高大連携のプロジェクト学習を行い、海外フィールドワークと現地での英語プレゼンテーションを実施します。

海洋リゾート開発と海洋汚染

(ハワイフィールドワーク)

ハワイ大学のラッセル・ウエノ教授、明海大学の神末武彦教授のご協力の下、リゾート地における観光業や海洋汚染をテーマに問題の解決策を探ります。連携校である現地のカラニ高校と研究内容に関する交流授業を行うほか、多くの外部機関との連携を通して探究を深めます。

環境とライフスタイル

(マレーシアフィールドワーク)

慶應義塾大学理工学部・伊香賀俊治教授、地球環境戦略研究機関・藤野純一上席研究員のご協力の下、環境に配慮しながらも相互に発展し続ける社会のあり方を模索し具体的な策を考えます。フィールドワーク先はマレーシア。多様な価値観やライフスタイルに触れ、共生の道を探究します。現地の高校とは協働研究の成果を相互に発表します。

災害と地域社会

(台湾フィールドワーク)

フィールドワークは1999年の大地震によって大きな被害を受けた台湾中部で行います。現地では台南市の国立成功大学・賴文基准教授と連携してフィールドワークを行い、集集近郊の旭光中学高校とは共通のテーマ「地震災害と防災」について、お互いの研究をプレゼンテーションし合い、交流を深めていきます。

WWL課題研究発表会

アクティブラーニングの集大成

課題探究学習「グローバルスタディ演習」(高2)の成果発表の場として、2月に研究発表会を行っています。フィールドワークを中心に1年間世界規模の課題について研究してきた各グループは、生徒・保護者や教育関係者の前で趣向を凝らしたプレゼンテーションを英語で行います。研究内容およびプレゼンテーションの審査を経て優秀グループが選出されます。


《2021年度 発表テーマ例》

海洋リゾート開発と海洋汚染

環境とライフスタイル

災害と地域社会

Regenerating the Tourism Industry
– Hawaii –
「ハワイにおける観光業の再生を目指して」

Plastic Reducing ~Recycling and 
Reducing through Three Actions~
「3つのアクションで目指すリサイクルと
リデュース」

To inprove disaster prevention
「防災力向上を目指して」

Tourism for the Environment
「環境保全のための観光業のあり方」

Intercultural Exchange through Food –
 Eating, Cooking and Understanding
Halal.
「作って食べて理解するハラール」

The availability of drinking water
「災害時の飲料水の確保」

Why do so many people come to Hawaii
「オーバーツーリズムの解消を目指して」

Protecting Mangroves forest“Sea
Forest” by improving food awareness
「食への意識改善でマングローブ林を守る」

Local Communities aiming to improve
disaster prevention and disaster
mitigation
「防災・減災のための地域コミュニティ」

Keeping Traditional Culture Alive
「伝統文化継承の推進~未来に残すべき
ハワイアンキルト~」

The modern impact of Deforestation 
〜What we can do as consumers〜
「森林破壊が与える現代社会への影響」

From“emergency food” to “disaster
food” at home
「家庭の『非常食』を『災害食』へ」