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シンガポール・フィールドワーク報告

2017.02.03

1月24日(火)から3泊5日の日程で、サステイナビリティ演習「開発経済と人間」を履修する高校2年生10名がシンガポール・フィールドワークを行いました。このフィールドワークでは現地高校生との交流の他、最終日にシンガポール経営大学(以下、SMU)で行う英語プレゼンテーション披露を目標とし、全て英語で中身の濃い活動を展開しました。

初日は夕刻にシンガポールに到着後、市内を見学。ホテルに戻ってからは、3日目に訪問するラッフルズ・ガールズスクール(以下、RGS)での交流授業に向け、事前に予習の指示を受けた英文による資料5種類の読み込みの時間となりました。

2日目午前はKaplan シンガポール校を訪問。同校は日本の高等専門学校にあたり、語学を中心に法学やビジネス理論などを学ぶ場です。ここでは、最先端のプレゼンテーションのレクチャーを受けました。現地学生がファシリテーターとなりグループ分けがなされ、簡単なテーマを与えられて議論した後にグループごとに発表。講師からは、その様子を個別に指導していただき、プレゼンテーションのスキルと戦略を学びました。
午後はシンガポールの多民族性を象徴する場として、リトルインディアとアラブストリートを訪問。生徒たちは現地労働者の方々に英語インタビューを実施し、経済活動や教育などの事情を聞きながら町を探索しました。夕刻からは一般財団法人自治体国際化協会(以下、CLAIR)シンガポール事務所の会議室をお借りし、この日の活動を振り返り、プレゼンテーション資料の修正や追加、そして練習と、およそ3時間にわたる研究時間となりました。市内の屋台で夕食を摂った後は、マリーナベイ・サンズ内の店舗にてさらに英語インタビューを行うなど、夜遅くまで精力的に活動した2日目となりました。

3日目はRGSの訪問からスタートです。同校とは昨夏にオンライン共同研究を行うなど、昨年の訪問以来、関係の強化を続けています。今回の交流授業では、日本とシンガポールの教育政策の違いをテーマとし、オンライン共同研究の際と同様にグーグル・ドキュメントを利用しました。各グループで話し合った内容をリーダーの生徒がその場で入力し、それを読んだ教員が話し合いの方向性の調整や掘り下げるためのヒントを返信する形で、各グループでテンポよく分析や意見交換が行われました。最後にはグループの見解を発表し、本校生徒もしっかりと英語で意見を述べていました。同校とは引き続き連携を深め、今夏もオンライン共同研究を実施予定です。
午後はシンガポール教育省ヘリテージセンターを訪問し、宗主国が相次いで変わっていく中での植民地時代から現在に至るまでのシンガポールの教育史を解説していただきました。日本統治時代の展示には戦争の残虐さをうかがわせる資料も多く、このシンガポールに日本の教育が行われていた時代があったというのが信じられない、という生徒からの感想も聞かれました。夕刻からはこの日もCLAIRの会議室をお借りし、プレゼンテーションのリハーサルを行いました。この日は、CLAIRの職員の方にも立ち会っていただき、プレゼンテーションへの批評をお願いし、生徒たちはこれをもとに、ホテルに帰ってからも各部屋で練習を重ねていました。

最終日4日目は、いよいよSMUでの英語プレゼンテーションです。同大学の藤井朋樹准教授と8名の学生にご参加いただき、現地入りの後に調査したことも反映し、今年度「開発経済と人間」で学んできた成果を1グループにつき10分程度で発表します。どのグループもすべて英語、ペーパーレスでの発表という目標を達成しました。その一方で、質疑応答の際にスムーズに言いたいことを表現できるように研究レベルと英語レベルをさらに上げたいという声が聞かれ、生徒たちの知的好奇心と学習への意欲を高めるよい機会になりました。この後は、SMUの日本文化クラブの学生6名の案内により、キャンパス見学と交流昼食会を行いました。
午後は、「環境とライフスタイル」を履修するマレーシア・フィールドワーク組と合流し、サステイナビリティ関連施設としてガーデンズ・バイ・ザ・ベイを見学した後、翌日に控えた春節を前ににぎわうチャイナタウンなどを訪れ、夜のフライトで日本へと帰国しました。

今回のフィールドワークの研究成果については2月18日(土)に本校にて開催するSGH研究発表会でご報告いたします。ぜひご参加ください。