英語でコミュニケーションできる人他者と協働で課題を解決できる人ICTを学びに活用できる人外に向かって挑戦できる人国際性豊かな若き淑女の育成富士見丘中学高等学校校長 吉田 晋4 技能を伸ばす先進的な英語教育P.03中高大連携で行うアクティブラーニングP.05学びの「幅」を広げるICT 教育P.09多様な国際交流、留学プログラムP.1301FUJIMIGAOKA21st Century Skills日本私立中学高等学校連合会会長[][][][]「グローバル・コンピテンシー」を育てる 昨今、我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱されている「Society5.0」というキーワードがあります。それは、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の新しい社会のことです。1940年創立の本学園は、今日まで、Society3.0(工業社会)からSociety4.0(情報社会)のなかで女子教育に邁進してまいりました。しかしながら、これからの「人生100年時代」を生きる中高生にとっては、「Society5.0」、さらには未知なる「Society6.0」を切り拓いていく資質と能力を養っていく必要があります。本校はその資質・能力を養っていく上において、コンピテンシー(Competency)という概念に着目しています。コンピテンシー(Competency)は時に「成果を上げる人に共通する行動特性」などとも訳され、近年では人材採用にも活用されていますが、本校では21世紀社会を生き抜く真のグローバル人材として必要な能力や資質、すなわちグローバル・コンピテンシーの育成に努めています。 コンピテンシーは単に知識の獲得による「学力」だけでなく、未知の問題解決に必要な思考力・判断力・表現力・創造力・行動力などを含んだ総合的な能力を指しています。今まで教師が教えてきた「正解」はAI(人工知能)が瞬時に答え、「正解」の積み重ねの上に成り立ってきた産業社会においてもAIが人間に取って代わっていくでしょう。従来の学校教育が育んできた学力だけでは、人間中心の社会である「Society5.0」への大転換に応じきれないのです。人間には既存の枠組みを超えた柔軟な思考と大胆な発想に基づくイノベーションが求められ、それを支えるのがコンピテンシーです。また、グローバル化の進展や複雑化する社会構造は、異文化圏の人々や考えの異なる人々との連携や協働を必要とし、その中で身近な問題からグローバル・イシュー(地球規模の課題)まで、さまざまな問題の解決に取り組まねばなりません。そこでは粘り強く真摯に問題解決に取り組む姿勢やコミュニケーション能力も必要になってきます。 2015年に文部科学省よりスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定された本校は、英語4技能教育を土台とした英語コミュニケーション能力とICTリテラシーの育成によって、グローバルな連携や協働を可能にしつつ、SGHプログラムの中核となる中高大接続プログラムや国内外でのフィールドワークを通して、未知の問題にチャレンジする旺盛な行動力を育んでいます。さらに2020年度からは文部科学省よりSGHの進化形であるWWL(ワールドワイドラーニング)コンソーシアム構築支援事業の拠点校に指定され、本校のグローバル教育も新たなステージを迎えることとなりました。21世紀のグローバル社会を生きる力=グローバル・コンピテンシーを育てているのが富士見丘学園なのです。
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