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釜石フィールドワークを行いました(2015/10/8・9)

2015.10.19

10月8日・9日の2日間、高校1年生は『サステイナビリティ基礎』の一環として岩手県釜石市でのフィールドワークを行いました。①「災害と地域社会」、②「開発経済と人間」、③「環境とライフスタイル」という3つのテーマのいずれかについて課題を設定し、現地で社会課題と向き合う方との交流、仲間との議論を通して、自ら解決策を考えていくプログラムです。釜石で復興活動に取り組むから方々から刺激を受け、生徒たちは2日間、「持続可能な未来」について熱い議論を交わしてきました。

一日目は、新幹線、バスを乗り継いで東京から釜石へと移動。到着後はまず、シープラザ釜石で昼食をとり、その後、語り部の工藤利明さんに『被災と復興の歩み』について講演をしていただきました。シープラザ釜石は、津波被害で釜石市役所が機能停止に陥った際、災害対策本部として活用された場所です。被災者支援のために大きな役割を果たしたこの場所で、どんなことが起こり、どのように今日まで歩んできたのかをうかがいました。

その後はいよいよ3つのテーマに分かれてバスで移動。クラス混在の10班で、グループ学習を開始しました。

「災害と地域社会」をテーマとする1~3班は、鵜住居地区復興まちづくり協議会を訪問し、前川智克さんよりお話をうかがいました。震災時は消防隊員として救助活動や遺体捜索にあたり、誘導中にご自身も津波にのまれた体験をもつ前川さんのお話は、テレビなどでは知ることのできない震災のリアルな姿を知らせてくれるものでした。復興後のまちづくりの困難、現在行われている様々な活動について伺った後は、生徒との質疑も行われました。

「開発経済と人間」をテーマとする4~6班は、ヤマキイチ商店を訪問し、釜石市の産業(漁業)の現状と今後について、専務取締役の君ヶ洞剛一さんからお話を伺いました。ヤマキイチ商店は、「泳ぐホタテ」と呼ばれるほど新鮮なホタテを扱い、ブランディングや広報活動によって漁師の誇りと賃金を高めることを目指しています。被災後も悲観的にならず、支え合い挑戦し続ける姿を知り、自身の今後の生き方について考えをめぐらせる生徒も多かったようです。いただいたホタテの味も忘れられないものとなりました。

「環境とライフスタイル」をテーマとする7~10班は、NPO法人ユナイテッドグリーンの山田周生さんのエコハウスを訪問。エコハウスの施設を見学するとともに、バイオディーゼル車で世界一周をしたご経験、釜石で自然エネルギーを重視した生活を始めるに至った経緯などを語っていただきました。バイオディーゼル車での山田さんのご活躍について、生徒たちは英語の授業で学習しており、教科書に載っていた話の「その後」に興味津々の様子でした。「見えない何かを変えることより、まずは自分の周りに目を向けてみる。身近なものから変えていく。」というメッセージが、強く心に残りました。

テーマごとのツアーを終えた後は、ホテルで夕食、入浴。その後、8時15分から約2時間のワークショップを行いました。本日見たこと、聞いたことをふまえて、10班がそれぞれのテーマについて課題を設定し、課題の背景、解決策などを話し合っていきました。「災害と地域社会」のグループは、避難所や備蓄の不足、外国人への対応など災害が起きた時の具体的な課題について、「開発経済と人間」のグループは、風評被害、人材不足と女性の漁業、一次産業への無関心など漁業をめぐる様々な課題について、「環境とライフスタイル」は、今後の発電方法、エコ活動の課題などについて真剣に考え抜きました。7月の事前学習からお世話になっている大学生・大学院生のファシリテーターのサポートを受けつつ、夜遅くまで議論は続きました。

二日目は、朝食後、産業育成センターに会場を移動し、8時10分から昨日のつづきのワークショップを開始しました。約2時間半の徹底的な議論を経て、班ごとに課題への解決策をまとめ上げました。その後、各班一人ずつでグループを再編し、一人ひとりがワークショップで考えた内容を発表。同じテーマでも違った考え方があることを知るとともに、異なるテーマの発表からは様々なことが学べました。

生徒の発表は、前日にお世話になった山田周生さん、釜石市「まち・ひと・しごと創生室室長」の石井重成さんにもご覧になっていただき、発表後にメッセージを頂戴しました。「いま、そこにある現実と向き合うこと」「ミッション(使命)を持っている人の幸福度は高い」という石井さんのメッセージは、釜石フィールドワークの締めくくりとして、心に響きました。釜石での2日間で、生徒たちの社会課題への意識、グループでディスカッションする力は確実に高まりました。