富士見丘中学高等学校

探究学習

LHR活(中学1年)

  • アクティブラーニングが効果を発揮するためには、クラスが協働的な学習グループを形成していなければなりません。ここをないがしろにすると、授業中の学習効率が落ちるばかりでなく、学習しない生徒が現れる可能性も高まります。このようなリスクを避けるため、協働的な学習グループ作りを中学1年次に集中して行います。特に本校ではロングホームルーム( 学級活動、以後LHRと略記)を活用しています。

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協働的な学習グループとはどのような集まりを指すのでしょうか。
それは、問題に遭遇した時、これを解決するために力を合わせて行動を取る集団です。この時に大切なのは、ある問題に対して、それをどう解決しようとするのかという一点に全員の興味関心が集まっているというポイントです。
このような集団を作るために、中学1年で身に付けさせたい4点をあげましょう。
学習グループの中では、①どんな意見でもOK、②人の意見にはケチをつけない、③役立ちそうなものは何でも使う(教師、友人、教科書、インターネット検索など)、④疑問に思ったことは何でも質問する(分からないままにしない)。
①②は発言の安全の確保です。思ったことは安心して発言できる場が、初心者には必要不可欠です。③は分かるためならどのような手段を使っても良いという、探求行動の自由を確保するものです。教師の板書を書き写させたり、指定の箇所にマーカーを引かせるなどの行動制限が一切ないというメッセージは初期段階で明確に伝えなければなりません。さて中でも④の質問はとても大切で、生徒主体の授業スタイルでは学習の第一歩が質問となるケースが多いからです。また質問は問いを投げかけられた人々の思考を呼び起こすので、グループが同一の問題について考えるきっかけを作ります。しかし中には質問が苦手な子もいるので、質問しやすい人数として本校では4、5人程度を学習グループの標準的な規模としています。

自主研究「5×2(中学1〜3年高校2年)

自らの興味を学びへと大成させる、自主研究プログラム

土曜には生徒の疑問、興味、もっとわかりたいという意欲に基づく学習活動ができる仕掛けをたくさん作ろう! これが「富士見丘の土曜日」を構想する原点でした。こうして生まれたのが、本校独自の探究学習プログラム「5×(カケル)2」です。1週間の7日間を、「平日の5日間」と「週末の2日間」の単なる合計としての「5 +(タス)2」ではなく、週末を上手に活かすことによる学習の相乗効果を期待して、「5×2(ゴカケルニ)」と名付けられました。

中学1年から高校2年生で実施する自主研究「5×2」。研究テーマはどんなジャンルでもかまいません。それぞれの興味・関心を掘り下げることを通じて「探究」の面白さに気づき、自身の独自性を発見します。教師のアドバイスをもとにテーマを決定した後は1年間を通して研究。主に週末を使って研究を進め、毎回の研究記録と実施記録を担任に提出。アドバイスを受けながらレポートをまとめあげます。

身近な疑問を取りあげる生徒、好きなものをとことん突き詰める生徒、将来の夢につながる研究をする生徒など、テーマは多岐にわたり、取り組んでいく中で将来の進路を決める生徒も多く見受けられます。

毎年、全レポートから選抜された優秀者は作品集を作り、新入生の前でプレゼンテーションを行います。自分の考えたこと、感じたことを分かりやすく論理的に他の人に伝える力は今後ますます重要になっていきます。

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サステイナビリティ基(高校1年)

高校1年生では「サステイナビリティ基礎」という授業を全員が受けます。これは「サステイナビリティ=持続可能性」という視点から、様々な社会問題を探究する課題解決学習で、富士見丘の教員によるチームティーチングの教科横断型授業、慶應義塾大学・大川研究室によるグローバルワークショップ、釜石フィールドワークの3つによって成り立っています。

富士見丘の教員による教科横断型授業

  • 「災害と地域社会」「開発経済と人間」「環境とライフスタイル」という3つのテーマについてサステイナビリティの視点から考えます。担当は富士見丘中学高校の全科目の教員。それぞれの教員の知的関心をベースに毎年計画を立てて、新しい授業に取り組んでいます。この授業では、教員の問いかけに対して生徒自身が考え、発言・提案し、発表します。五感をフルに使ってのアクティブな内容になっています。

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慶應義塾大学・大川研究室「グローバルワークショップ」

  • 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の大川恵子教授による年間を通じたワークショップ。大川研究室の大学院生・留学生とともにグローバル規模の課題を自分たちで探し、これを解決するためのグループワークやプレゼンテーションをおこないます。視野を世界に広げること、自分の意見をもつことの大切さを知る授業です。学校内だけに限られない外からの刺激と専門的な視点やアドバイスは高校の授業の枠をはるかに超えています。

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釜石フィールドワーク

  • 東日本大震災で甚大な被害を受けた釜石市は現在もなお復興の途中です。高校1年生は1泊2日で現地を訪れ、「災害と地域社会」「開発経済と人間」「環境とライフスタイル」という三つの視点から被災地の復興事業を学び、自分の目で見て考えたサステイナビリティを提言します。勉強を机上で終わらせないフィールドワークは生徒の学習意欲に大きな変化をもたらします。教科書やプリントを超えた自分が体験して学ぶサステイナビリティ。これからの時代にますます必要になってくる学習スタイルです。

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サステイナビリティ演(高校2年)

高校2年生のアドバンストコースでは、1年生の「サステイナビリティ基礎」をもとに「サステイナビリティ演習」に取り組みます。「サステイナビリティから創造するグローバル社会」を課題に、「災害と地域社会」「開発経済と人間」「環境とライフスタイル」という三つの視点を発展させて、海外フィールドワークと現地でのプレゼンテーション(英語)を行います。

災害と地域社会

  • 慶應義塾大学SFC 環境情報学部・大木聖子准教授と同研究室学生の皆さんの協力のもと、地震災害や防災について考えます。高校1年次の「サステイナビリティ基礎」で実施した釜石フィールドワークでの体験と学びをベースとして、海外フィールドワークは1999年の大地震によって大きな被害を受けた台湾中部の集集地区で行います。現地では台南市の国立成功大学・賴文基准教授(専門:地震学)と連携してフィールドワークを行い、集集近郊の旭光中学高校とは共通のテーマ「地震災害と防災」について、お互いの研究をプレゼンテーションし合い、交流を深めていきます。

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開発経済と人間

  • シンガポール経営大学・藤井朋樹准教授のご協力の下、シンガポールの観光政策や資源政策、経済発展について日本との比較研究を行います。現地各所でフィールドワークを行った後に考察をまとめ、ラッフルズ・ガールズ・スクール(RGS)との交流授業、シンガポール経営大学(SMU)でのプレゼンテーションをおこないます。現地でのインタビューや取材内容を資料にまとめ直し、パワーポイントを再編集。事前学習に加えた現地での活動がとても大きな意味をもちます。

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環境とライフスタイル

  • 慶應義塾大学理工学部・伊香賀俊治教授、国立環境研究所・藤野純一主任研究員のご協力の下、持続可能な低炭素社会、環境問題の解決策を考えていきます。フィールドワーク先はマレーシア・イスカンダル開発地域(ジョホール州)。IRDA(イスカンダル地域開発庁)の協力のもと、2025年までに約40%の温室効果ガス削減を目標とするマレーシアの環境施策と課題を調べるフィールドワークをおこない、ジョホール州の女子校SIGS(スルタン・イブラヒム・ガールズ・スクール)と研究内容に関する交流授業をおこないます。

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